ネパール

 ヒマラヤ山脈の麓、ネパールの地に天理教教会本部の拠点として1966年、天理教ネパール連絡所が開設されました。初代連絡所長として大向良司氏が就任 し、ネパールでのたすけあい活動が開始されました。その後、二代連絡所長、相馬七郎氏の指導のもと、それぞれの活動の規模拡充が図られました。主な活動に 植林、メディカルキャンプ、アイキャンプなどがあります。

植林活動

 ネパールの山間部では、森林を伐採し、薪等を燃料に用いて調理等を行って おり、この森林伐採が深刻な問題を引き起こしています。ネパール連絡所では毎 年、雨期が始まる6月頃、現地の教友が中心となって植樹を行っています。将来、樹木が育って村人の利益に繋がるように、みかん、マンゴーなど果樹を植樹す ることが多いです。また、村人と共に作業を進めていく中で、森林伐採を含めた環境問題への意識の向上を図るという点も見逃せません。

ロプシの苗木。ネパールでは実を漬け物にして食べる。植樹した苗木が家畜に食べられない様に囲いで覆う。

植樹が行われたサンクー村

みんなで協力して作業を進める。

お手伝いして下さったサンクー村の方々

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メディカル・キャンプ

 ネパール連絡所のメディカル・キャンプ(無医村医療巡回)は、現地の社会福祉法人の活動として始めら れました。

 当初、首都のカトマンズに無料診療所を開設しましたが、積極的にこちらから村々を訪ねて診察をしようと、巡回医療を行うことになりました。近年は、年に 二回、巡回を行っています。

 この活動はまず巡回先の下見から始まります。村の人々と打ち合わせを行い、こちらの思いを知って頂くとともに、活動に積極的に参加して頂くためです。

 開催当日ボランティアで集まった医師4~6名と、連絡所にひのきしんに集まった信者30~50名程度で現場にむかいます。カトマンズから医者が診察に来 てくれるとあって、現場に着くとすでに診察待ちの列ができています。

 打ち合わせの通り、係の村人達とひのきしん者が受診者を順番に受け付けていきます。カルテに氏名とその場で計った体重を書き込み、その後、医者が診察を し、処方箋を記入します。

 次々と診察が進みますが、診察自体は一時的なもので、きちんと治療するには、続けて通院しなければならないことが多く、そうなると、何十キロも離れたカ トマンズに出向いていかなければなりません。村人達には大きな負担となります。

 また、急患で運び込まれ、会場ではどうにもならず、カトマンズまで車で運んだ患者もありました。

 午前8時30分頃に始まる診察は、午後1時まで休みなく行われることが多くあります。話を聞きつけた人々が近隣の村からやってくることもあり、受診希望 者は後を絶たちません。診察をするドクターにも限界があり、止むを得ず診察を断わらなければならない場合もあります。

 現状には課題も多く見受けられますが、ネパールの教友達は一人でも多くの人に喜んで頂きたいとの思いで活動を続けています。

学校など、公共施設を会場とすることが多い

遠い道を歩いて診察を受けに来る。

ネパール人教友によるひのきしん(中央)

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アイキャンプ

 メディカルキャンプとならんで、毎年カトマンズ近郊の村でアイキャンプも実施されています。アイキャンプは 眼科 診療と眼鏡提供の二点が活動の柱です。

 ネパールの山間部では不衛生な環境や、埃、塵などが眼球を傷つける原因となっています。またほぼ全ての家庭において家屋内で薪を燃やし調理するため、煤 が屋内に充満し、目に悪影響を及ぼすといいます。ネパールでは上記の理由等で眼病患者が多く、また栄養不足が眼病の原因にも繋がっています。貧困地域では 栄養が片寄ってしまうケースも見受けられます。

 アイキャンプ当日はまず眼科診療と裸眼視力の測定から始まり、必要であればドクターの処方せんを出し、薬を提供します。矯正で視力が回復する場合は眼鏡 を作って後日提供します。支援実施地との打ち合わせ、薬の購入、資材の準備、当日の受付、案内、検診等はすべて、現地教友が休日を利用してのひのきしんに あたっています。二日間に渡って開催されるこのアイキャンプでは、400人~500人が診察を受けます。延べ40人ほどの教友がひのきしんに参加し活動を 支えています。

視力検査

レンズを替えながら検査。

検診をうける老人

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